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評価:
西 加奈子
小学館
¥ 1,728
(2014-10-29)
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西加奈子さんの「サラバ」上巻を読んだのがずいぶん前だったので、
つながりを忘れましたが、
読んでいるうちに思い出しました。
それほど印象に残る本でした。
第四章
圷(あくつ)家の、あるいは今橋家の、完全なる崩壊
主人公の今橋歩(あゆむ)の母と姉の貴子が一緒に住んでいる頃に、
阪神大震災が起こった。
その頃姉は部屋に引きこもり状態だった。
ずっと部屋から出てこなかった姉は、
矢田のおばちゃんが話をしてくれてやっと出てきた。
父親と東京で暮らすことになった姉は手作りの巻貝の着ぐるみを着てネットで注目されるようになり、
主人公は定職に就かずに、
編集のフリーターをしていた。
主人公の彼女がきっかけで、
姉がまた公衆にさらされ、
どうしようもなくなり、
矢田のおばちゃんが遺してくれた金で外国を放浪する。
第五章
残酷な未来
おかしいのは姉だと思っていたが、
読んでいるうちに、
おかしいのは主人公だとわかってくる。
第六章
「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ。」
なんと!この言葉は、
あのおかしかった姉の言葉!!
読み手もこれからの自分の生き方を考えようという気になってくる。
人生を迷っている若い人におススメの小説です。
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小説/詩