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ワンちゃん

評価:
楊 逸
文藝春秋
¥ 1,200
(2008-01)

今年の芥川賞候補になっていたので読みました。
作者の楊逸(ヤン・イー)さんは、1964年生まれの中国人です。
留学生として来日し、お茶の水女子大学を卒業。
卒業後、在日中国人向けの新聞社を経て、
中国語教師として働くと書かれています。
この本の中には、2話入っています。
「ワンちゃん」
日本にお嫁に来た中国人女性の王(ワン)さんが主人公の話です。
嫁いでからの名前は「木村紅」です。
中国では赤はおめでたいので母親が考えてくれたようです。
しあわせに恵まれない人生を送っているワンちゃんは、
商売上手で働き者だが、
いい配偶者に恵まれない。
一度目の中国での相手はハンサムだが怠け者で、
彼女にたかってくる。
離婚をしたのに どこまでも金の無心にくるので、
逃げるために独身の日本人と愛のない結婚した。
日本で新しい仕事を始めて、
やっと愛を見つけたのだが・・・

「老処女」
主人公はやはり日本で暮らしている中国人の女性です。
一人っ子政策の中国の様子もすこしわかりました。
二人目を生むと罰金を払わされるようです。
一人の子どもに家系や夢や全てをかけるようで、
子どもは期待が重くて可愛そうな気がします。
主人公は母の教えや期待に答えるために頑張ってきたのに、
母はやっと彼女の重荷がわかってきます。
日本で大学院まで出て 大学で授業を教えるまでになります。
その時は45歳になってしまいました。
結婚をしたいのにうまくいきません。
主人公が哀れで、
途中で読むのを放棄したくなりました。
最後は夢なのか現実逃避か・・・

楊逸さんの文章はポキポキと折れるようで、
滑らかな文章のつながりがないので、
ちょっとへんです。
話の内容はおもしろいので、
脚本家になればいいのにと思いました。
小説を書く作家としては、読みづらいです。
芥川賞をとれなかったことに納得がいきました。
中国語で小説を書いたらもっといいものがかけるのかもしれません。
「亢奮」という字が何度か出てきました。
興奮のことだろうと思いました。
「お祖父ちゃんはいっそのこと、畑のど真ん中に簡単な草屋を建て、
昼夜問わず、家に帰らないで、トウモロコシを見張る事にした。」
「いっそのこと」の使い方がおかしい気がする。
ちょっと、読みにくい。

先日、日本に8年住んでいる独身の女性と話をした。
大学で中国語を教えている人だ。
話し方が流暢で外国人とは思わなかった。
一時間話をした後に名前を聞いて外国人だとわかった時には驚いた。
アグネス・チャンは日本に長いけど、
日本語が上手ではない。
個人差なのか、中国語から日本語は難しいのだろうか。
楊逸さんはどんな日本語を話すのだろう。
若い人とだけ話さずにお年寄りと話したら、
外国人の日本語の勉強になりそうだ。
文学が変わってきているけど、
文章の流れはスムーズであって欲しいと思った。

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posted by: 本の虫 | 小説(外国人) | 12:07 | comments(0) | - |

自分で作るルームシューズ


評価:
青木 恵理子
雄鷄社
¥ 1,050
(2006-05)
ルームシューズは一度だけ作ったことがあります。
女性用で足にピッタリのものだったので、
家の中では使い辛かったです。
家の中では、はいたり 脱いだりの動作が頻繁にあるので、
スリッパ形式が楽です。
それに作ったものは最高にかわいらしくて、
汚れるのがもったいないくらいでした。
今度作るときは毎日はけるような、
脱ぎ着が楽で、汚れも目立たないものを作りたいと思います。
この本を見ていたら、
どれも欲しくなりました。
図書館で借りたのですが、
どうしても欲しくなって注文しました。
本を持っているからと言って、
ルームシューズも手に入るわけではないけど、
いつか必ず作るぞ!

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posted by: 本の虫 | 趣味の本 | 21:22 | comments(1) | - |

一瞬の風になれ 第三部 -ドン-

佐藤多佳子の小説です。
「一瞬の風になれ」は、3部まであります。
陸上部の話だからでしょうか。
1部の1冊目は「イチニツイテ」、
2部の2冊目が「ヨーイ」、
3部の3冊目は「ドン」となっています。
しゃれた文字遊びのようでおもしろいと思いました。
どの本も厚いので、読むのに時間がかかりましたが、
おもしろいので小説の世界に引き込まれます。
その上、場面の場所が私の育った地域なので、
「淵野辺」「相模原」「厚木」などの文字が出てくると、
ぐっと身近に感じました。

2部で交通事故にあった兄の健ちゃんもリハビリをしながら、
だいぶ元気になってきました。
高校3年生になった主人公の神谷新二は部活に復帰して、
キャプテンらしい心配りができるようになりました。
1年生の鍵山は性格の悪い問題児でしたが、
部の人たちからの優しい言葉掛けや、
彼の闘争心やプライドを刺激する言葉などでだんだん変わっていきます。
目標に向かって努力する部員たちに、
各々が刺激を受けていきます。
チームワークを必要とするレベルの高い部活では、
プラス思考の人間関係が作られていくので、
読んでいる方も応援に力が入ってくる。
最後の「謝辞」のページに、
作者は陸上が未経験と書いてあった。
こんなに詳しく書かれていて、
運動のことをまるで知らない私をこんなに惹きつけるなんて、
作者の「佐藤多佳子」を尊敬する。
読み終わってみると、
私にとって主人公「の新二」と親友の「連」は、
存在する人物のようになっていました。
顔は浮かばないけれど、
姿形まで想像し連続テレビドラマをみたような気持ちになっていました。
谷口さんとの恋も少しづつ発展しているようです。
また、これから続きの話ができるのだろうか?

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posted by: 本の虫 | 小説(作者さ行) | 15:32 | comments(0) | - |