|
評価:
天童 荒太
集英社
¥ 600
(2005-05-20)
|
読書に飢えていて、
小説が読みたかった。
家にある文庫本の本棚からこの本を探しました。
読書家の姉にもらった本だと思います。
天童荒太(てんどうあらた)の本は、
重そうで、
今まで避けて来ましたが、
短編小説なので読んでみました。
この本の中には4つの短編が入っています。
一つの話なら面白いので惹き込まれて、
短時間で読めます。
「とりあえず、愛」
主人公の武史は莎織の夫で、
赤ん坊のなつみの父親。
妻の莎織は育児ノイローゼ気味でも頑張っている。
武史は優しい言葉もかけず、
心の中で妻を非難している。
自分自身も働きすぎで体を壊しているのに、
相手を思いやれない。
妻が求めていたのは優しさなのに、
それがないので離婚する。
離婚の後に武史が倒れて入院する。
こんなに優しさのない男は私の周りで見たことがない。
奥さんはいい人過ぎるからこんな男が合うのだろうか。
主人公に腹立たしさを覚え、奥さんが気の毒になった。
「うつろな恋人」
ストレスケアセンターに入院している男と、
喫茶店でバイトをしている少女の話。
この主人公の男の自分勝手さにも読んでいて腹が立った。
「やすらぎの香り」
精神科の病院に入院していた女と男の話。
うつ病になると、
こんなふつうの言葉が出なくなるのかと歯がゆく思った。
読み終わったら、
いろんな人のいる世の中だから、
人に優しくしようと思った。
「喪われゆく君に」
コンビニでバイトしている19歳の男の前で、
サラリーマンの客が突然倒れ、
病院に運ばれたが死んだ。
死んだ男の妻と、
コンビニの店員のふれあいの中で、
妻は立ち直り、
店員も自分の生活を見つけていく。
4つの中で読むと一番元気が出る話。
いい小説なので、
皆さんにオススメします。
今の日本にはうつ病など心の病を抱えた人が多い。
読むと人に優しくなれると思います。
ランキングに参加しています。クリックお願いします。