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評価:
桐野 夏生
文藝春秋
¥ 2,000
(2003-06-27)
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桐野夏生の小説です。
桐野夏生の小説で読んだのは3冊目です。
「OUT」「錆びる心」を読みました。
読みたい本が無かった時に、
どんな小説を読んだらいいのかわからないので、
作者で選びました。
2冊ともおもしろかったので、
桐野夏生の小説ならがっかりしないと思ったので読んでみました。
感想は面白かったです。
でも長編で、
なかなか読み終わらなかったです。
やっと読み終えました。
日本人の母親とスイス人の父親から生まれた主人公の女性は、
美しすぎる妹(平田百合子)に根深く嫉妬して、
意地悪すぎる女です。
冬の寒い日に妹と一緒に帰る時に、
先に入って鍵をかけ、
「おまえなんか死んでしまえ」と言う様な女です。
妹は来た夜の道を一人で戻りました。
両親もその行為に驚いて、
父親の国に帰る時には、
姉が日本に残りたいと言ったので、
姉とは二人だけにしないように妹は連れて行きました。
姉は妹とは離れたいので、
猛勉強をして、
妹の頭では入れないような、
お嬢様学校のQ女子高に入りました。
ところが母親がスイスで自殺して、
父親が再婚をするために、
妹も帰国してきて、
帰国子女枠で、
同じ高校に入ってきました。
売春をしているうわさを聞いた姉は、
妹のことを密告して退学させました。
妹はモデルをしてお金を稼いで暮らしましたが、
年をとって美しくなくなり、
売春をして、
中国人の男に殺されました。
姉の同級生の、
真面目だったOLの佐藤和恵も平田姉妹に影響を受けて、
売春をして、
男に殺されました。
殺人者の中国人の男は、
中国の貧しい家に生まれ、
美しい妹と二人で、
故郷から脱出し、
日本に密入国してきました。
妹は日本に入る前に海に落ちて死にました。
貧しさの描写がリアルで、
読んでいると、
苦しくなってきます。
この小説を読んでいる間は、
心が暗くなるので、
読み終えてよかったです。
それでも内容はおもしろいので、
読んでよかったと思います。
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