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家族の言い訳

森浩美さんの短編小説です。

森浩美さんは男です。

「ホタルの熱」
結婚して駿という子供ができたが、
生活が貧窮してきて、
夫が離婚届を置いて出て行った。
母子で電車に乗って出かけたら、
息子の駿が熱を出した。

民宿の女将に温かくしてもらった。

息子が迷子のホタルの光を見つけた。

私も誰かを温かく迎えてあげられる人になりたいと思った。

「乾いた声でも」

カーナビの乾いた声。

もしも主人公が道案内が上手だったら、
夫の悩みに気づいてあげられて、
夫の人生の道案内を上手にしてあげられたのだろうか。
夫が亡くなって、
夫の上司の話を聞いて、
後悔した。

「星空への寄り道」

バブル景気を体験して、
奢った生活をしていた男がどん底に落ちた。

そんな日に出会ったタクシーの運転手との会話で、
少しだけ優しい気持ちになれた。

長野の星空を見る。

「カレーの匂い」
不倫している副編集長の話。
後輩の女性に会う。
主人公は独身だが、
後輩はあっくんという息子を連れて、
お茶に誘う。

幸福の姿を見せつけられた感じ。

不倫相手からの約束の断りの電話に、
題名の言葉を言う。

「柿の代わり」

高校の新米教師の男性。

万引きした女生徒を警察に迎えに行く。

女生徒が先生に悪いことをしたことがないのか聞く。

柿を盗んだことくらいと話す。

盗んだ柿は渋柿だった。

女生徒に更生しろとうまく伝えられない気持ちと渋柿の味が重なった。

「おかあちゃんの口紅」

妹と二人兄弟の兄が主人公。

母親との折り合いが悪く、
なかなか会いに行かなかったが、
昔の口紅で、
ほどける。

「イブのクレヨン」
父親は2歳の時に、
飲酒運転の交通事故で亡くなった。
母と二人で住んでいたが、
母は男と再婚して、
子供は親戚に預けた。

成長した男は母を許せない。
優しい妻がクリスマスに起こす奇蹟。

「粉雪のキャッチボール」
サラリーマンを辞めて、
妻と別居して、
ホテルマンになった父親を息子が尋ねる。
父親のホテルを退職する日に立ち会う息子。

どの話も家族の心の話で、
最後は心が温かくなる話。

読後感がいい。
 
posted by: 本の虫 | 小説(作者ら行) | 20:24 | comments(0) | - |

泣き童子

宮部みゆきの本を読むのは初めてです。

長いので、
挫折していました。

今回の話は、
どこかで出会ったことのある話でした。

テレビドラマなのか、
この本のシリーズを読んだのか、
記録を探してもないのに、
おちかが三島屋で話をすることを知っていました。
女中のお勝が近くで守っていることも知っていました。

何で知ったのか、
思い出せません。

これも奇妙なことです。

さて、私の記憶のことはさておいて、
物語の説明をします。

江戸の袋物屋の三島屋で、
ご主人の伊兵衛の姪のおちかが、
不可思議な話を聞くとい物語です。

おちかは許婚(いいなずけ)が死んで、
心が癒えてないのを心配して、
伊兵衛が、
不可思議な話を、
話したい人から、
三島屋の黒白の間で1対1で聞くことになりました。

この世の不可思議な話を聞くことにより、
許婚を失った心の病から立ち直ってほしいという伊兵衛の計らいです。
大切な年頃の娘なので、
素性の安心な人を探してきてもらいます。

この本はシリーズの3作目です。

1作目は「おそろし」

2作目は「あんじゅう」

3作目が「泣童子」です。

「魂取の池」
魂を取るという池があり、
池の神様がやきもち焼きで、
男女で行くと、
仲を壊すという話。

「くりから御殿」

山の木を伐採したために、
大雨が続いた日に、
鉄砲水が出て、
村人がみんな死んでしまった。
一人だけ助かった子供が、
夢で懐かしい人に会うと、
その人の死体が見つかる。
その子供は立派に育って、
奥さんももらい、
幸せに生きたが、
語りに来る。

その日は特別に、
隣の間に奥さんが隠れて聞いている。


「泣童子」
人を殺したり、
悪いことをしようとする人が近づくと、
大声で泣き出して止まらなくなる赤子。

人を殺した娘は、
お上には捕まらなかったが、
赤子には泣かれる。

「小雪舞う日の怪談語り」
岡っ引きの知り合いの家で、
語りをするので、
おちかが誘われていく。

そこでの話を4話聞く。

「第一の男の話」
父親が普請道楽で、
家を建てるのが好き。

先祖の残した家に、
建て増しをした時に、
大工の棟梁が夢にうなされた。

柱を逆さに立てたようなので、
立て直しをさせてほしいと言ったが、
頑固な父親はそのままにして建てたら、
怖いことが起こった。

「二人目の女の語り手の話」
女中のお関という女が、
身ごもっているときに、
橋を渡った。

その橋では、
転んだ時には、
人の手を借りて立ち上がってはいけないという決まりがあった。

知っていたが、
身重の身で起き上がれなくなり、
手を借りてしまったら、
あの世に近い所に行ってしまった。
門番に自分の命10年と、
子供の命1年のどちらかをくれたら助けてやると言われた。

「まぐる笛」
山奥にまぐるという化け物が夏の暑い日に出て、
人間を食らう。
その退治に、
女で才能があり、
特別に選ばれた人がなる。

「節気顔」
節句の日に、
死人の顔になるという叔父の話を姪がする。

どれも怖い話だが、
ひとつずつ短編のように読めるので、
読みやすい本でした。

お勧めします。

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posted by: 本の虫 | 小説(作者ま行) | 23:08 | comments(0) | - |