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2015.08.23 Sunday
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絶唱
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湊かなえの小説です。
4編の短編小説が、
トンガと尚美さんと阪神大震災につながっています。
「楽園」
雪絵と毬絵という双子の女の子の一人が主人公です。
阪神大震災で、
片方が亡くなった。
母親は反対の方の子供が生き残って欲しかったから、
子供の名前をわざと間違えて、
お墓の名前まで反対にする。
生き残った方は相手の名前で生きることになる。
その苦しさからトンガに来て尚美さんに会う。
「約束」
主人公は理恵子。
柏木宗一の元婚約者。
彼の何でもできて上から目線で、
暴力もふるわれた。
子供をおろして欲しいと言われた。
彼といるとつらくなり、
別れたくなったからトンガに来た。
その彼がトンガまでやってきた。
震災の時に亡くなった共通の友人との約束を、
彼は最後に果たしてくれる。
「太陽」
「楽園」に登場してきた花恋(かれん)ちゃん5歳の母親(杏子)が主人公。
日本に住んでいたころの話。
震災で父親を亡くしたが、
頑張って大学にも入った。
ボランティアで児童養護施設に手伝いに行き、
トンガ人のセミシさんに出会う。
心が癒される。
ボランティアの時に知り合った学生の子を身ごもったが、
相手はいいかげんな男だった。
シングルマザーになり、
一人で頑張ってきたが、
周りからは批判を受け、
リセットのためにトンガに来て、
尚美さんに会う。
できればセミシさんに会いたかったが、
セミシという名前はトンガにはたくさんいて見つからなかった。
意外なところで見つける。
これも縁だ。
「絶唱」
震災の時に友人を亡くした。
推理小説新人賞を受賞し、
世話になった尚美さんに宛てて書いた手紙が、
物語です。
震災で友人を亡くしたことで、
友情についてや自分のことを考える。
トンガに行って、
尚美さんにものを書くことを勧められ、
人を紹介される。
毬絵さん、
理恵子さん、
杏子さんに会い、
小説を書く。
湊かなえさんの小説は、
傷ついた人や犯罪を犯した人の心と少し向き合う内容です。
心を病む経験をしていない人に、
違った角度からの見方もあることを教えてくれる。
JUGEMテーマ:小説/詩
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2015.08.23 Sunday
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火花
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又吉直樹が芥川賞受賞の小説を読みました。
「火花」です。
お笑い芸人二人の物語です。
若い芸人が、
尊敬する先輩芸人とのやりとりが書かれています。
最近、私が読んでいる小説は、
読みやすくて頭の中に物語が入ってくるものばかりでしたが、
この小説は、
高校生の頃に読んだ太宰治や夏目漱石などの有名小説家が書いた文章のように、
頭の中にすっきりと入ってこない内容でした。
もう一度読んだら少しはわかるかもしれないけれど、
もう一度読みたいとは思わないので、
わからないままのところもあり、
心に残ることもない、
ただ読み終わりましたの報告だけです。
又吉直樹は好きなので、
最近は彼の出演しているテレビをよく見ます。
彼は争わない人なので好きです。
小説の中の主人公も人をバカにしたり、
人と争ったりしない人です。
笑いについての美学に自信を持っていて、
尊敬する人にはとことん尊敬するところが彼らしいなと思いました。
応援はするけれど、
でしゃばったりしないところが彼らしいと思いました。
彼の考えている話題には入り込めないけれど、
そういう人もいいなと思います。
又吉直樹が書いた本でなかったら、
最後まで読まなかったかもしれません。
賞をとる小説は凡人には理解できないこともしかたないと思います。
JUGEMテーマ:小説/詩
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2015.08.07 Friday
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母さんのコロッケ
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喜多川奏作「母さんのコロッケ」を読みました。
懸命に命をつなぐ、ひとつの家族の物語。
主人公の秀平は大手の自動車メーカーを辞めて、
塾を経営する。
未来をになう子供たちを育成するという理想をかかげて始めたが、
思ったようには生徒が集まらない。
妻は2人目を妊娠して、
秀平の実家に上の女の子と帰省する。
一人になった秀平は塾に電車で通う途中に、
のどがいがいがして、
のど飴を買う。
その店員が着物を着ていて、
時代錯誤な感じがする。
そののど飴をなめると、
秀平の祖先など家族の夢を見る。
戦争の時代の頃の母の様子などリアルな夢で電車の中で大声で泣き出してしまう。
飴をなめるたびに、
過去の時代をみて、
自分につながる命の大変さを学ぶ。
8月に読んだことで、
戦争の怖さを特に感じました。
生まれたことは奇蹟に近くて、
命は大切だということをみんなに知ってもらいたい。
「こどもは両親に大切なことを伝えるために生まれてくる。
しかもこの子が幸せになるために必要なものはすべて持って生まれてくる。」
大人は子供の進む道を邪魔しないことが大切だと思いました。
じっと応援することがたいせつです。
文中の文章で生きることの意味を考えるきっかけになりました。
JUGEMテーマ:読書
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2015.08.07 Friday
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七十歳死亡法案、可決
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垣谷美雨著「七十歳死亡法案、可決」を読みました。
読み始めは、
そんな法案を考え出した作者に腹が立ちましたが、
家族一人一人を主人公にした話を読んでいくうちに、
それぞれの立場から、
これからの日本の未来について考えるきっかけになり、
だんだん面白くなりました。
最後まで読み終わると、
わりといい小説だと思いました。
みんなが協力しあう日本になったらいいと思います。
JUGEMテーマ:小説/詩
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