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評価:
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「寝相」滝口悠生(たきぐちゆうしょう)著を読みました。
芥川賞を取ったと新聞で読んでからすぐに彼の作品を探して、
図書館に予約しました。
芥川賞を取った作品は「死んでいないもの」です。
寝相は、
「寝相」
「わたしの小春日和」
「楽器」の3編が入っています。
「寝相」と「楽器」は賞をとっていますが、
楽器は読んでいて疲れました。
「寝相」は竹春という祖父と、
なつめ、
なつめの母弥生など多くの登場人物が出てきます。
思い出の中の登場人物が多く、
思い出と妄想が入り混じっていることがこの作者の物語は多いと思いました。
年を取った人が書いた文章かと思いましたが、
作者は30代前半です。
私の中にも想像と思い出が混乱することがあります。
高校生の時に観た映画を10年以上経ってから観たら、
細かい描写の記憶が違っていたことに驚いたことがあります。
映画を観てから違う映画を重ねて記憶したり、
体験が重なって、
記憶が上塗りされたのでしょうか。
一番信じている自分という存在の中で、
記憶が違うということにショックを受け、
思い出は完ぺきではないからいい方に変えて、
楽しくいきればいいと思えました。
「小春日和」は職を失った主人公が、
実家に帰ってきて、
ふらふらして、
友人にあったり、
小学生に会って、
実家の前の道路の不思議な線のことも解決がつかないまま、
話が経過して、
最後はハッピーエンドとまでは行かなくても、
おちつくといった内容です。
この話は終わりがまあまあだったので、
嫌いではないです。
「楽器」は読んでいて、
私には合っていないので、
途中で読みづらくなりました。